健康診断の勧め
5歳(人の年齢で、36歳)になったら年1回は検診を受けましょう。
ワンちゃん・ネコちゃんは人の年齢換算で、1年に4歳年を重ねます。
半年毎の検査だと、人に換算すると2年に1回の検診となります。
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当院の検診は、 胸部レントゲン・腹部エコー・血液検査 が基本セットとなります。
1)当日にわかる血液検査の結果がわかる 院内検査 (セット料金 18000円 ~ )
*:急いで結果を知りたい場合
2)血液検査の結果が出るまで、数日かかりますが
コストが抑えられ・細かく調べられる 外部検査機関での血液検査
(セット料金 13500 円 ~ )
*:特に体調不安などはない・細かく血液検査を受けたい・
何となく肥満気味・症状は無いけど年齢がと思われる方にお勧めです。
の2コースから選べます。
・オプション検査
(別料金が掛かります)
1)簡易の心エコー検査( +4000円~ ):心臓の収縮力のチェック・心弁部での逆流の有無
2)甲状腺ホルモンのチェック(fT4のみ +4000円~ 3項目 +12800円~):
高齢なネコちゃんや、活力が落ち気味なワンちゃんにお勧めです
他、状況に応じて追加項目も選択できます。
*:暴れる仔や極端に怖がる仔については、検査をお断りする場合がございます。
やむを得ない場合、リスクはありますが鎮静・軽度麻酔下で検査を行う場合もございます。
① 検診のご予約
先ずは、電話にてご相談・ご予約下さい。
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② 検診の準備
ご自宅にて
をお読みください。
可能であれば記載いただけるとスムーズな受付が行えます。
便検査・尿検査もご希望の場合は、ご持参ください。
検査前日の 20:00 以降からは絶食をお願いします。
当日は、6:30以降絶水も行ってください。
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③ ご来院
検査当日は 10:00 までにご来院ください。
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④ 検診
記載いただきました検診申込書に基づき、検診を行います。
エコー検査につきましては、毛刈り処置をしてからの検査となります。
*:特に、胸に疾患がある仔につきましては 定期的な検査が必要不可欠になりますが、検査中に症状の悪化が認められる場合があります。留意し検査を進めますがイレギュラーがあった場合は緊急対応をする場合がございます。場合によっては検査の中断をする場合もございますので、何卒ご理解ください。
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⑤ ご報告・ご説明
検査結果のご報告・ご説明をさせていただきます。レントゲン・エコー検査についてはご帰宅の際報告させていただきます。院内血液検査を選択された方は、同時に血液検査結果についても説明させていただきます。
外部検査機関での血液検査を選ばれた方は、異常値があった場合、結果が検査機関より送られたタイミングでこちらからお電話をさせていただきます。
異常値が認められない場合は、次回の来院時にご説明させていただきます。
外部検査機関での血液検査は7~10日で結果が出ます。
近くにお寄りの際には、お気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。検査結果が出ているか等、お電話で確認の上ご来院頂いてもかまいません。検査結果の報告のみで来院された際は、費用は頂きません。
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⑥ ご帰宅
検査が終了次第、診察時間内であればご帰宅は可能です。
ケージなどが苦手な仔などは、検査が終わり次第 お迎えを相談する場合もございます。
検査当日は、当イヌさん・当ネコさんは疲れております、安静にお過ごしください。
1)胸部レントゲン
胸部レントゲンでは、
胸椎・肋骨骨格の異常がないか
心臓の大きさの異常
(心臓に負担がかかると心臓自体が大きくなることが多いです)
肺の状態(炎症の有無・出来物がないか等)
胸に液体が溜まっていないか
胸の中に出来物がないか
等がわかります。
—–(参考)心臓の大きさについて( 心機能を評価するには )—–
・VHS(基準値 10.5以下):心臓の縦横の長さを、背骨の特定部位と比較し数値化したもの
・VLAS(基準値 2.3以下)心臓の特定部位(左房)長さを、背骨の特定部位と比較し数値化したもの
等で、心臓の大きさを判断します。
*:より正しく心臓の機能をチェックするには心エコー検査が必要です。
エコーでは、
・心弁部での血液の逆流や・心臓出口の狭窄・心房部での血液の乱流などを確認します。
他には
・LA/AO(基準値 1.6以下):左心房と大動脈の径の比
・:LVIDDN
心臓が大きくなった時の、左側の部屋の内側の長さから導き出される数値です。
どれだけ心臓が圧力によって大きくなるのかを確認します。
(基準値 体重により変化 LVIDDN=LVIDD(左室拡張末期径)/ BW(体重)^0.294)
*:上記式はcprnell 回帰式 (大抵は、早見表を使います)
上記値などを参考に、異常があった場合 ACVIMの基準に従い 心臓のケアを行います。
2)腹部エコー検査
腹部エコー検査では
・お腹の中の臓器の
(肝臓・胆のう・胃・腸・脾臓・腎臓・副腎・膀胱・前立腺・子宮 等)
位置・大きさ・形 等の確認
・お腹の中に液体が溜まっていないか
・お腹の中にあるはずのないものがないか
等を確認し、異常がないか判断します。
3)血液検査
血液検査では
・脱水/貧血の有無
・赤血球の形・大きさ
・白血球の数・形
・血小板の数
・血液中のたんぱく質の量
・血液中の糖分の量
・肝臓・腎臓などに関連する物質の量
・タンパク質を分解した後の分解産物の量
・脂質の量
・Na・K・Clなどのミネラルの量
を調べます。
個別の数値を見るだけではなく、特定のホルモン異常があれば 90%以上で肝臓の数値に影響が出る・胆嚢に負担がかかると脂肪分の量などに影響がでる・炎症が起こっている可能性があれば、タンパク質の数値に影響が出るなど、検査項目以外の異常を推し測ることもできます。
これらの検査を定期的に行い、早期診断・早期治療を行うことで
大切なパートナーとよりよい時間を
人と動物の時間の流れるスピードは、異なることをイメージしていただければ幸いです。